【アプリ】箱入り息子3
お坊ちゃん
黒崎さんは全体的におっとりした雰囲気だった。
物怖じしない雰囲気。
話をして行くと、どうやらお坊ちゃん系のようだ。
実家は高級住宅街。
両親は健在で、一人っ子。
幼稚園から大学まで私立エスカレーター。
絵に描いたようなお金持ちの一人息子という印象だ。
なるほど。物怖じしない雰囲気はセレブならではの雰囲気だったのか。と納得した。
生まれつきのお金持ちならではの『自分の経験してきたことは当たり前だと思ってました』エピソードが随所にあった。本人はそれを当たり前だと思っているので、変なマウントにはならない。
自慢されているとは思わなかったので、普通に会話を続けていた。
だが、話をして行くと黒崎さんの、天然セレブが故のズレのようなものが見え始めた。
母親との休日
まず、黒崎さんは母親が大好きだった。
休日は母親の買い物(高級デパート)に付き合ったり、母親の習い事(フラワーアレンジメント)に同行したりしているそうだ。
…おおう。それはなかなか…。なんというか…。
少し引いてしまったのは、嫌々付き合っているわけではなく、むしろ行きたい、楽しい、それが趣味くらいの勢いで嬉々として話していたところだ。
母親を大事にするのは美点だ。
女性を大事にする感覚が備わっているお方が多い印象もあり、欠点ではないと思う。
これは私の好みの問題だ。
私はこういうお義母さんと仲良くなれるタイプではないのだ。(この時点で考えることではないが、皆さんも少しは考えるよね?)
「へぇ~仲良くていいですね」と愛想笑いするので精一杯だった。