【婚活アプリ】顔不鮮明ユーザー4
お茶も地獄になる可能性がある
約束の日。
会う駅の指定は木村さんからあった。お互いの中間あたりだったと思う。
新幹線も通っているような大きな駅だった。
お茶するところはたくさんあるような場所だが、この日は日曜。すぐにお店に入れないのではとヒヤヒヤしていた。
ディナー初対面のデメリットは地獄をみる確率が上がることだが、唯一の利点は店選びでうろうろしなくていい点だ。
さすがにディナータイムだとどちらからともなく予約をする流れになることが多いからだ。
反対にお茶はたいてい予約をしないことが多い。
すぐに入れない可能性があり、初対面の気まずい時間をウエイティングしながら過ごす可能性が出てくる。これがお茶のデメリットのひとつではある。
対面で気に入った相手ならそのウエイティングも許容範囲だが、生理的に厳しい相手の場合、地獄が始まる。。
顔不鮮明ユーザーの技??
そんなことを考えながら木村さんを待つ。(本当にこういうことを考えていて、不安で毎回逃げ出したくなってた。泣)
そしてこの待合せに関して今考えるともやっとする。
私は彼の顔を知らない。彼は知っている。
さらに待ち合わせの服装を私に尋ねてきて、自分の服装について言及がなかった。
ということは、必然的に私は木村さんからの声かけ待ちとなる。
このときは「私から声かけなくていいならラッキー」と思ったけど、今考えるとかなり主導権を木村さんが握っていることになる。
最悪私はドタキャンされても気づかない可能性がある。
私の顔を見て「なし」と判断したらすぐ逃げることも木村さんにはできるのだ。
なるほど。よくできている。
そしてこれは顔不鮮明ユーザーの間では横行しているのではなかろうか。。
ただ、当時は焦りもあり、メッセージでの木村さんに好印象を抱いていたため上記のような邪なことはあまり考えずに木村さんを待っていた。
…
横から声をかけられた。
木村さん「ソノミさんですか!?」
声の先にはJAPAN仕様のファービーがいた。