【婚活アプリ】しょうさん終
ネット婚活の罠?
棚上げマウンティングという謎の行為を心の中で行いながらも、しょうさんとは楽しく話をしていた。
口元コンプレックスが垣間見えた冒頭は少しテンション下がったが、しょうさんはコミュニケーション能力が極端に低い男性ではなかった。
かといって得意な方でもないようであったが、アプリでのやりとりに、ストレスがなかったことと同様に、実際に対面してもこちらが過剰に気を使う必要がなかった。
これだけで「この人いいかも!」と思ってしまうのが、ネット婚活の罠だよな。
いや、そこを拾えない人間はネット婚活に向いていないのかもしれないが。
意見のない元彼女
印象深かった話があった。
しょうさんの過去の恋愛の話だ。
2年程前まで数年付き合った彼女がいた。
もちろん、結婚を視野に入れていた。しかし、彼女は『家族が大好きすぎる女』だったらしい。
彼女は家族を大切にするあまり、自分の意見を持てない所があり、事あるごとに家族に相談をしていた。
その事自体は問題をあまり感じないが、しょうさんとの結婚に関しても家族の意見をまず中心にして、話を進めようとしていたようだ。
それはかなり細部にわたっていたようで、しょうさんの仕事の内容や、転職の進め、はたまた転職先の指名、住居…などかなり条件を出されたらしい。
そしてやっぱり出ました!宗教問題。形だけでも彼女の家族の宗教に入るように促しがあったそうだ。
しょうさんは、それでも彼女を好きだったから何とか前向きに考えようとした。
しかし、何を話し合おうとしても「父親がこういうから」「母親がこうだから」と彼女自身の意見はほとんど聞けなかったそうだ。
この状態では結婚しても彼女の家族のいいなりになると思い、別れたそうだ。
うぬぼれて、終わり
そんな込み入った話をお互いにしたこともあり、距離が縮まったように感じた。
お店を出て駅に向かう。あ、ちなみにしょうさんはご馳走してくれた。
心の中で「こりゃあ、LINE交換の提案とかされるかもな~」とか考えていた。
しかし、特になにもなくお互い帰路についた。
アプリのメッセージがしょうさんからあった。
「楽しかったです。もしよければまた、お会いしたいなと思ってます。」
みたいなことが書かれていた。
私もしょうさんに対して1回で切るほどの嫌悪感はなく、2回目も会うかもくらいに考えていため、同じように返信した。
………………。
一日、三日、一週間経ってもしょうさんから返信はない。
それどころか退会になっていた。
これはお互い様だな。その時はノリノリでも時間がたつとテンションが元に戻る。
時間とお金を使って相手にまた会いたいか?
それがお互いにクリアできなかっただけのことだ。
うーん、ネット婚活難しい。