【くそ野郎】岩崎さん8 - 婚活ってこんなにしんどいものなんですね

岩崎さんはわたしの大嫌いな後輩のかなちゃんに言い寄っていたのだ。
この時平静を装うのが精一杯だった。いや、装えていなかったかもしれない。

岩崎さんが付き合いを絶対に秘密で！と強調していたのはこれが理由だったんだ。

社内恋愛ってうまくやれば二股三股は簡単なのかもしれない。ただ、どこにでもおしゃべりな人はいるからこうやって暴露されていくのだろう。

幸い？大嫌いな後輩かなちゃんに、岩崎さんが言い寄っていたのは半年ほど前で私にアプローチしてきた時期とは重なっていなかった。
かなちゃんは岩崎さんと会ったりせずに疎遠にしていったそうだ。

とにかく私はショックだった。
岩崎さんが私の大嫌いなかなちゃんに言い寄っていたこと。
岩崎さんの中で、私もかなちゃんも同じカテゴリに入っているのだということ。
私とかなちゃんは女性としてのタイプが全く違うのに…。
と、とにかくショックだった。

今の私だったらこの時点で別れていたと思う。
だが、この時期はなにかに耐えて得られるものがあると信じていた。自分を好きといってくれた人を信じたい。そんな純粋な面がまだ残されていた。

岩崎さんに対しては、特にかなちゃんのことには触れずにいつも通りにしていた。
しかし、話の流れでかなちゃんの話題になった。

ちょっと意地悪心で、私がかなちゃんを嫌っている話をした。

岩崎さん「あ、そうなんだー」

と、平静ぶっていたけど、明らかに顔が固くなっていた。
このとき、この人に対してなにか小物感のようなものを感じはじめた。