【奈落の底】バーベキュー大会4
女性陣の気持ちは一緒
若林さんから大体の男性の紹介をされ、手持ちぶさたになった。
先に来ていたあさみ達をちらりと見る。
完全に女性だけで話している。
しかも楽しそうな様子ではなく、不穏な様子がありありと伝わってくる。
何を話しているか想像がつく。
女性達ともお互い自己紹介をした。
あさみの連れてきた同僚の女性陣は4~5人いた。28~33歳くらいの年齢層で、皆さん美人。
垢抜けない人は一人もいなかった。
丸の内OL!という雰囲気やファッション業界です!というイメージの方々。
私たちと挨拶を交わした後、あさみが再度小さい声で
「ソノミ、本当にごめんね。お友だちもせっかく来てくれたのに…」
あさみは自身の友人にもこっそり謝っていた。
あさみを筆頭に、『有名食品会社の社員達とのバーベキュー』という期待が大きかったのであろう。
蓋を開けてみれば、有名食品会社どころか、名の知れた会社に勤めている人は若林さん一人。
ましてや、フリーターまでいる始末。
この落差はダメージが大きい。
婚活難民としては本当にダメージが大きかった。
誰からともなく、顔を見合わせながら
「うん、まぁ、ね!」
「…うん、ね…」
「まぁ、食べるだけ食べよう」
「とりあえず飲もう」
とひっそりと方針を決めた。
初めて耳にする『係』
今回は出会いではなく、美味しいものを食べることに専念しようと全女性陣が決意をした。
サッカー好きさんがお調子者感満載で、話しかけてきた。(以下サッカーさん)
サッカーさん「今日はよろしくね!!かんぱーい!」
ちょっとノリがわからない部分はあるが、一切視線が合わないよりはマシである。
しかし、マシだと思ったのも束の間、サッカーさんはあるものを取り出した。
名刺?
おつまみ?
おてふき?
いいえ、まさかの一眼レフだ。
サッカーさん「俺、最近写真にはまってて!!ことあるごとにいろいろな物や人を撮ってるんだ!」
…そっか、それは素敵な趣味をお持ちで…
(嫌な予感)
サッカーさん「だから今日は!俺はこの記念すべきバーベキュー大会のメモリアル係やります!!」
は??い??