【婚活アプリ】永田さん4
何度も言います
声をかけてきたのは永田さんであるはずだが、アプリに載せていた上半身の写真とは似つかなかった。
どう考えてもコンビニの前にいたデブの大柄なサラリーマンとしか思えず、永田さんとは結び付かなかった。
確かに顔のパーツや身長は納得だが、体型が違う。
体型が確実に違う。
アプリではガタイはいいが、贅肉はなく、筋肉質なからだそのものであった。
タイプの体型だ!と思っていたからなおさら。
しかし目の前にいる永田さんとおぼしきデブの大柄なサラリーマンは、そのままデブの大柄なサラリーマンでしかなかった。
デブの大柄なサラリーマンという形容が一番しっくり来る。
各自のイメージするデブの大柄なサラリーマンでイメージ画像は完結するだろう。
棚にあげるのは得意
デブの大柄なサラリーマン=永田さん
である事実を受け入れる、納得する、自分を説得するのに3秒くらいかけた。
ソノミ「あっ、はじめまして!」(ここから帰れる確率ってどのくらいあるの…)
必死に取り繕い、挨拶を返した。
永田さんは少しほっとしたような表情に見えた。
もしかして、写真と違うことは自覚があるのかなと疑った。
反対に私に対して「思ったよりも変なやつではなくてよかった!」という安堵だった可能性はこのときは微塵も考えていない。