【相席屋】年下の男14
ユキコと細川さん
私と西田くんが付き合う付き合わないをごたごたやっている間にも、細川さんはユキコに猛アプローチをしていた。
電話をしたり、ご飯に誘ったり。
ユキコはそれに応じたり、応じなかったり…。
会うたびに熱烈なアプローチをされるため、ユキコもだんだんと細川さんとのことを考え始めていたようだ。
ただ、ユキコの話によるとDVっぽい雰囲気があるとのこと。
細川さん「付き合ってよ。こんなに好きになってるのに」
ユキコ「いや、無理ですよ。」
細川さん「何その態度?会ってるのにそんなのおかしくない?」
みたいなやりとりが時々あるそう。
文面だと伝わりにくいが、これを結構凄んだ感じで言うらしい。刃向かったら何かされそうに感じるような。
いくら熱烈でも友人としてはあまりおすすめは出来ないという感想が正直なところ。
しかし、ユキコはなかなかうまく行かない婚活に焦っていたのか、私と西田くんが付き合う頃には細川さんについて本格的に検討し始めていたのだ。
涙の電話
私は婚活戦士たちのゲスな優しい決意のお陰で少しずつ気が楽になっていた。
そんな時、西田くんから電話が。
頻繁にはかかってこなかったのでウキウキしたと同時に少し嫌な予感がした。
予感は的中した。
西田くん「話したいことがあって…。やっぱりソノミさんと付き合うことは出来ない。終わりにしてほしい。」
息が詰まった。
やはり、適齢期の女性と結婚の約束も出来ない状態で遠距離は申し訳ないという理由だった。
西田くんの声のトーンや、言葉を慎重に選んでいる様子から真剣なんだとすぐにわかった。
真剣に考えてくれたことと、お別れしなくちゃいけない予感に涙が出てきた。
年甲斐もなく電話口で泣いてしまった。
西田くんは困っていたが、考えを変えるつもりはないようだった。
週末、会って直接話すこととなった。