【くそ野郎】岩崎さん9
釣った魚に餌はやらない
もやもやを抱えたまま付き合いは継続していた。
岩崎さんから温泉旅行に誘われる。
岩崎さんの提案で、A温泉にいくことになった。
私の家からA温泉にいくには結構な時間とお金がかかる。
一方岩崎さんの家からは割りと近く、定期券の利用もあり、時間金額ともに岩崎さんは便利。
まぁ、それは仕方ない。
だが、岩崎さんが予約してくれた温泉宿は客室露天風呂がついている一泊一人3万くらいする宿だった。
まぁ、私も働いているので払えなくない。しかし、岩崎さんはこの温泉旅行全てきっちり折半してきたのだ。
私の交通事情、岩崎さんの稼ぎ(特殊な資格があるため、私の倍は稼いでいる)、宿の指定などを含めたら少し優遇してくれてもよくない?
当然のように割り勘。いいんだけど、なんかもやもやする。
岩崎さん、私より年上なのに。
好きだけどいらいらする?嫌いなのか?
多分温泉旅行のあとくらいから、後輩のかなちゃんのことや、岩崎さんの小物感、ケチっぷりを垣間見て『社内恋愛をしているときめき』の効果が切れてきていた。
要は岩崎さんのことを真剣に好きなれないかもという気持ちが大きくなっていた。
そのため、会っても素で対応していることが多くなった。なんかよくわからないけど、口擊したくなったり。
(高い買い物しているのを見て「稼ぎの違いを改めて見せつけられたわ」と言ったり、「浮気する男はグズ」と言ったり。岩崎さんは過去に浮気したことがあるとはなしていた。)
突然の別れ
そして、つき合って3ヶ月たたない頃、珍しく岩崎さんから電話があった。
岩崎さん「2ヶ月くらい付き合ったけど、やっぱり合わないかなと思った。別れましょう。」
別れることに対して未練はなかった。
どちらかというと、私は遊びだったのではという疑惑を確かめたかった。
ソノミ「理由はなんですか?」
岩崎さん「仕事の話が多くなってしまう。ソノミの、時間よりも趣味を優先したい気持ちが、大きかった。」
と、しどろもどろになりながら言ってた。
もう、これ絶対嘘だろ。
ソノミ「本当の理由はなんですか?」
岩崎さん「いま言ったのが本当です」
ソノミ「そうですか、わかりました」
岩崎さん「最初にも言ったけど、付き合ったからこそわかったことで、こういう結論になったから。」
この最後の一言、皆さんどう思う?
私は岩崎さん自身の保身のための一言だなと思った。
始まりも終わりも電話で済ます。
この辺り、本当にこの人は小物だな。
後半感じていた小物感は的中したのだ。
全く未練のない涙のないお別れは後にも今現在でもこの時だけだ。
なんて薄っぺらい付き合いだったのだろう。
早く自分から振ってやればよかった。
これで岩崎さんとの付き合いは終わりだ。
だが、つい最近まで、ちょこちょことこのくそ野郎は私に関与してくるのだ。
ここから、こいつをくそ野郎と呼ぶに値する出来事が起こるのだ。
多分次で終わります。
ああ、イライラする。